突然!介護生活

母親の脳梗塞により突然始まった介護生活の記録

鍵が開けられない

 
母のナゾの言動から10日後の3月20日。
 
仕事中、18:00ごろ社有スマホに電話がかかって来ました。
 
見覚えのない電話番号。
 
普段なら出ないのですが、この時は仕事に関する電話を待っていたため、ためらわずに出ました。
 
すると。
 
「あー、出てくれて良かった! お母さんがたいへんなことになってるんですよ!」
 
嫌な予感……。
 
 
 
女性は団地の同じ階の人だそうです。
 
一生懸命話してくれるのですが、気が動転しているのか要領を得ません。
 
母が何かたいへんなことをしでかして、近所の人たちが集まって大騒ぎになっているのか? 
 
一瞬身構えましたが、よくよく聞いてみると、何の事はない。
 
要するに、この女性が母を訪ねたのに、母は室内から鍵を開けることができなくて、大騒ぎして鍵を何とか開けた、ということでした。
 
今すぐに来て!という話ではなかったので、一安心。
 
この日は夜勤で簡単に抜け出せる状況ではなかったため、丁重にお礼を言い「近いうちに対応する」と約束して、電話を切りました。
 
 
 
しかし、室内から鍵を開けられなくなるとは……。
 
鍵はツマミを回せば開く極めてシンプルなタイプです。
 
何十年も住んでいて、ずっと使ってきた鍵なのに、それが開けられなくなるなんて。
 
10日前のナゾの言動を思い出しました。
 
あの時もやっぱり明らかにおかしかった。
 
電話の女性は「今回が初めてではない」と言ったので「いつごろからですか」と尋ねると「10日くらい前にも同じようなことがあった」と言っていました。
 
やっぱり10日前か……。
 
そのころ急におかしくなったのでしょうか。
 
 
 
夜勤を終えて翌21日の未明に帰宅、昼過ぎ起床。
 
木曜だけど、春分の日なので私も夫もお休みです。
 
夫に事情を話し、ネットでいろいろ調べながら善後策を講じました。
 
とにかく近いうちに何とかしなくちゃいけないのは間違いありません。
 
ただ、私は金・土と仕事なので、とりあえず日曜に母のところへ行くことにしました。
 
 
 
そして、その夕方。
 
予約していたマッサージに行って、終わったところでスマホを見ると、夫からメッセージが。
 
「お母さんから電話が来た。行かないとマズイから帰ってきて。近所の人が来てるみたい」
 
 
 
また何かやらかしたのか!と思い、夫と二人で急ぎ駆けつけると、母は一人で静かに部屋にいました。
 
近所の人に囲まれて訳の分からないことを叫んでいるような事態を想像していたのですが、思いのほか普通。
 
ただ、なんだかぼんやりしていて、周囲で起きていることが何も分かっていないかのようです。
 
 
 
どうすればいいか分からなかったので、ネットで見つけた「地域包括支援センター」に電話してみました。
 
基本は平日のみの対応ですが、土日祝日も電話は通じます。
 
この時も事情を話すと「今日は無理ですが、明日朝一番で担当者が対応するようにします」と言ってくれました。
 
 
 
母は一人で残しておけない感じだったので、とりあえず私たちの家に連れて帰りました。
 
今後どうなるのか、どうすればいいのか。
 
「地域包括支援センター」だけが、この時の頼みの綱でした。